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はじめての滑落

はじめての針ノ木雪渓からの続きです。

針ノ木雪渓を登ってきて、針ノ木峠からの眺めです。

 

左側に見える尾根を、ぐるっと歩いていくのが針ノ木サーキットになります。

 

雪が完全になくなったら、トレランスタイルで来るのもいいですね。

 

針ノ木岳まではここからまだちょこっと登ります。

 

みなさん緊張するという危険トラバースもあります。

 

まあ僕的にもかなり危険だと思いますが、

富山県が発表している登山ルートの危険度を見ると、危険度Bだそうです。。。

 

ABCDEでBです。

 

Eが一番危険ということなので、Bというとイージーよりなんですね。。。すごく怖いのですが。

はい、みなさん緊張する危険なトラバースです。

 

Bですけど。

 

納得いかん。

見下ろすとこんな感じ。

 

下に見える豆粒は女性なのですが、彼女とは抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げた方です。

 

iPhoneのエアドロップで写真を渡しあう仲でもあります。

危険なトラバースを無事に通過し、針ノ木岳の頂上が近づいてきました。

 

斜面に先行者が居ますが、あの方はサーキットをまわるそうです。

 

今日は暑いから長丁場になると水分が心配ですね。

振り返ると歩いてきた危険なトラバース。

 

無事に通過できてよかった。

 

往路は。

針ノ木岳登頂です。

 

奥には立山やら劔岳やらが見えているそうです。

こちらはサーキット方向。

 

すぐそこにスバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳と続きます。

 

ここで初めて気づいたのですが、スバリ岳方面から登ってくる人が結構いるんですよね。

 

積雪期は夏には通れない、スバリ岳の方から登ってくる人が多いようです。

 

そうですよね、危険なトラバースは緊張しますからね、Bだけど。

こちらは、、、槍ヶ岳かなたぶん尖ってるし。

スバリ岳方面を見下ろすと、雪渓を登ってくる登山者が見えます。

 

うーん、あちらの方が怖そうに見えたんですけどねー。

立山連峰と黒部湖。

休憩してお腹を満たしたので、さっさと次の目的地、蓮華岳を目指します。

 

蓮華岳は前回針ノ木サーキットをした時に、時間的にも体力的にも行けなかったので、行くのが楽しみです。

来た道を戻り出してすぐに雷鳥と遭遇です。

 

先ほど頂上付近にいた子でしょうか、僕はおなかペコペコでそれどころではなかったのですが、ほかの方が楽しそうに写真を撮っていました。

ここです。

 

へー、こんなに雪が残っているんだねーなどと写真を撮りつつ、ここからの急斜面のトラバースに差し掛かった時のことです。

 

気温の上昇と共にだいぶ雪がゆるくなっており気を付けていたのですが、一歩、ズルっといきました。

 

最初はゆっくり滑り出し、なんとかしようと思ってジタバタしたのですがどんどんスピードが上がって滑り落ちていきました。

 

仰向けで滑っているので、なんとか身体の向きを変えてえピッケルを雪面に打ち付けるも、雪が柔らかくてまったく手ごたえを感じません。

 

どこまでも続く斜面じゃないのはわかっていたので死の恐怖はありませんでしたが、岩がむき出しのところを通ると、大けがしそうで怖かったです。

 

まあ、結果無事に無傷で、、、いや無傷ではない、擦り傷程度で止まることができました。

 

滑落が止まった後は、痛みより恐怖で心臓がどきどきして、過呼吸な感じで肩で息をします。

 

周りを見渡すと誰も居ない、よかった見られていません。

こちら、腕時計のログになります。

 

滑り始めはキロ4分23秒。

 

ちょっと速いランニング程度ですね。

 

時速だと13km/hくらいですね。

 

滑り始めは心拍は136拍とそれほど早くありません。

ここで最高速度を記録しているようです。

 

キロ2分19秒。

 

時速だと26km/hくらいですね。

 

ログによると、標高差70mを距離100mで滑り落ちていました。

 

心拍も結構上がっていますね。

止まって怪我がなくて良かったとゼーハーしている時に最大心拍記録しています。

 

いやぁ今思い返しても、ほんとにかすり傷でよかった。

 

この時、頂上付近から往路でデッドヒートを繰り広げた女性が姿を現しました。

 

ジタバタしているうちに滑落開始ポイントまで来て、

 

女「落ちたんですか?大丈夫ですか??」

 

よ「大丈夫です!」

 

女「スピード出ました?」

 

そこが気になるのか

 

よ「あ、はい、まあ、そこ滑るので気を付けてください!」

 

女性はなんなく通過していきました。

滑ってきた軌跡です。

この岩場に突っ込んでいたらもうちょっとひどいことになっていたかと思います。

 

がんばって登り返します。

 

なんかフラフラして歩きづらいです。

 

身体のダメージは大したことないけど、心のダメージが大きいみたいです。

針ノ木峠まで戻ってきました。

 

ここから蓮華岳へ分岐しますが、心がブッツリ折れていますので、蓮華岳は諦めて下山します。

 

滑落直後だけに、下山ルートもびくびく下ります。

おじさんがあがってきました。

 

よ「針ノ木峠からのトラバース、すべて危険なので気を付けてください!」

 

おじ「へー」

 

反応うすっ!

まだ11時前なので、まだ何人も登ってきます。

 

でももう注意喚起しない。

だいぶ下りてきました。

 

なんか人が沢山います。

 

怖いですね。

 

近づいてみると迷彩服、自衛隊の方々でした。

 

訓練で針ノ木峠まで上るようです。

 

よ「針ノ木峠からのトラバース、危険なので気を付けてください。」

 

自「針ノ木峠までなんで大丈夫っす。」

 

うんまあそうだよね。

 

雪が緩んでるから全部危険だよ!

ここで雪渓とお別れです。

 

ここが唯一よじ登れそうに見えたのですが、正解かどうかはわかりません。

川で擦り傷を洗いました。

 

当然ですが冷たいです。

 

雪解け水ですから。

 

痺れるほど冷たいです。

 

これ、往路は川に落ちる覚悟で川を渡ったけど、実際に川に落ちてたら、今日の登山はそこで終わってたくらい、水が冷たいです。

無事本物の登山口に戻ってきました。

 

ここまで来たらあとは1kmくらいです。

 

なんか今日は本当に疲れました。

無事にせの登山口に戻ってきました。

 

おなかペコペコ、のどからからです。

ゆらゆらと吸い込まれるように扇沢駅の食堂に来ました。

 

流木そばセットをいただきます。

 

現在お昼ちょっとすぎなのに、結構広い食堂には僕以外に客が一組のみ。

 

平日とはいえ悲惨な有様ですね。

駐車場に自衛隊の車がありました。

 

ご苦労様です。

自宅に帰ると、ひどい日焼けだと社長に笑われました。

 

言われるまで全然気づかなかったけど、かなり痛いです。